ほおずき書籍では1981年の創立以来、およそ10,000点以上の発行物(受注印刷物も含む)を作り上げてきました。
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さあ一緒に本づくりを楽しみましょう!
ルート66、66のストーリー | |
アメリカを東西に走る全長4000キロのオールドハイウェイ、ルート66。走破の旅にちりばめられたハートフルストーリー。大塚ファン待望の第5弾。 |
今回から始まりました著者インタビューコーナー『Voice』。
第1回目のインタビューは、ハートフルな旅エッセイ「ルート66、66のストーリー」を出版されました大塚浩司さんに、出版されるまでの感想などを聞いてみました。
――今回、大塚さん自身5作目、読み物としては3作目となる「ルート66、66のストーリー」を出版されましたが、出版にいたるまでの経緯をお聞かせ下さい。
以前から僕のクラフト作品や過去の本を取材してくれていた地元の新聞社の記者さんが、「紙面でルート66の話を連載してみないか」と声をかけてくれたのがきっかけですね。過去の本の実績がこういう形で新しいチャンスを生んでくれたんです。
――なるほど。そういう意味でとらえると本はチャンスを生むいいツールだと?
そのとおりですね。いい感想もいただければ批判もいただきます。けど、どこでどんな人が読んでくれているのか分からない分、様々なチャンスが生まれると思っています。
――本にしようという計画はいつ頃生まれたのですか?
実は新聞連載を始めた時からです。本にすることをはじめから目標にしていたので、長く真面目に執筆活動していれば出版社が振り向いてくれるんじゃないかなって(笑)
――なるほど恋愛と一緒ですね(笑)出版社にとっても魅力的な作品だったということでしょうね。
作品の魅力だけではなかなか出版にOKが出ないと聞きました。出版社もこの出版不況の中、本を売っていかなければならない訳で、著者がどれだけ販売促進活動をしてくれるかも大きな判断材料になるそうです。ですから僕もブログやウェブサイトでPR活動をしましたし、新聞社や雑誌やTV局にも広報活動をして、お陰様でたくさんの媒体で取りあげていただきました。出版社にも販売面でメリットがあるでしょうし、僕自身も新しいチャンスを作るというメリットにつながりますから。
――大塚さんは本づくりの経験が豊富ですが、今作はどういう思いで作業をされたのですか?
そうですね、新聞連載時はそれこそストーリーの順番なんて考えずに書き進めていたんですけど、本の場合はそういう訳にはいかない。まずはルート66にちなんで66話でまとめようと考えました。連載全105話の中から66話に絞り込む作業を始めて、これを一本のロードムービーを見ているかのような流れを作れないかと試行錯誤を繰り返しているうちに、気が付いたら編纂作業だけで半年もかかってしまったんですけど。
――時間をかけた分、こだわりの一冊ができたと?
はい。編纂作業の段階から出版社の担当さんと何度も打ち合わせできたのも大きかったです。自分の作品ですから譲れないところはぜったいに譲りませんでしたし、逆に担当さんや編集者からいただいたアイデアも盛り込めました。はじめから二人三脚で本づくりできたことは本当に良かったと思っています。
――どんな"こだわり"が込められているのですか?
僕は、本はおもしろくなければいけないと思っています。文章表現としてのおもしろさも大切だと思いますが、それよりもストーリーとしてのおもしろさを大切にしようと心掛けました。読んでいて景色が浮かんでくるような感覚を読者に感じてもらいたい、そうすればきっと「おもしろい!」と思ってもらえるのではと。ですからまずは自分が読んでみて「おもしろい!」って思える本にすること、そこにこだわりましたね。
――たしかに"おもしろさ"は大切ですよね。ドキドキでもワクワクでもハラハラでもいいから、とにかく読者の心を揺さぶる何かが欲しい!
そういう意味で、ガイドブックにだけはしないでおこうと心掛けました。15年間旅してきたなかで、様々な事柄に対面してきた自分の姿を、後ろから見ているつもりで書きました。完成した今もそれで良かったと思っています。
――実際に完成した本はイメージどおりの出来映えになりましたか?
編集者や担当さんと顔を合わせてさんざん打ち合わせをしましたし、ゲラのやりとりも何回もして、僕が一番望んでいた一番良いカタチになりました。本の作りもオシャレに仕上がったのでその辺も見ていただきたいです。
――書店で販売が開始されていますが、どんなお気持ちですか?
今回、画集やポストカードブックも含めて5冊目になるんですけど、店頭に並ぶワクワク感は変わらず新鮮ですね。たまに地元の書店を覗きに行ったりして自分の本を手にしてくれている人を見ると、心臓がバクバクします。同時に「買ってくれ~!」って。とにかくこの楽しみは本を出した人のみに与えられる至福の時だと思います。
――著者冥利ですね。ところで、実際買われた読者からレビューが届いていますがご覧になっていますか?
毎日チェックしています(笑)これも時代の恩恵で、ネット書店を通してダイレクトに読書感想をいただけますから本当に感動しています。20代の若い女性から70代ぐらいの方まで読んでいて下さって、年齢層が幅広いことにびっくりしました。実際にルート66を走破した人や、行ってみたいという人からもいただきましたし、行くことはないだろうけど一緒に旅をできたっていう書き込みもあって嬉しかったです。わざわざお店に来て下さる方もいるんですよ。「サイン下さい」って。本当に感謝です。
――これから出版を考えている方に何かアドバイスはありますか?
本を出すということは、心の内側をさらけ出すことになるんですね。ですから勇気のいることですし時間だってかかります。それでも本は心と心をつなげる特別な媒体ですから、思いを込めて書いた文章はきっと読者に伝わるはずですし、自分に興味を持ってもらえます。それには自分の個性をいかに表現できるかが重要ですので、そのためにもプロの編集者がいる良い出版社を選んで一緒に本を作っていくことが大切だと思います。
――出版社選びのコツってありますか?
やはりプロの専属編集者が付いてくれることが大前提ですね。本は一人では作れませんし、一人で作ってはいけないと思います。編集者が第一番目の読者として客観的にアドバイスをくれますから、とても参考になるんです。あとは専属の担当さんがいて直接出向いてくれることも重要ですよ。やっぱり電話やメールだけのやりとりだけだとうまく伝えられないし、どんな本になっちゃうのかなんて心配しながら本づくりはしたくないですから。
なによりも僕の場合は書店での販売を希望したので、きちんと全国の書店へ流通できることも決め手になりました。やはり作るにしても売るにしてもノウハウが揃っている出版社を選ぶことは大切です。
――なるほど参考になりました。それでは本づくりを総括して感想をお願いします。
今回、出版社のご厚意で印刷工場の見学もさせていただきましたが、1冊の本を作るのにすごく大勢の人の力を借りているのだなと勉強になりました。本づくりには作るまでの感動があり、完成した後も感動があります。だからこそ文芸活動は楽しいですし、きっとこれからも止められないと思います。ちょっと宣伝になりますが、僕がお世話になっているほおずき書籍さんは全国どこでも飛んでいって、著者と顔を合わせることを仕事の楽しみにしているみたいですから、出版を計画している人は遠慮しないで相談してみれば良いと思います。書店流通も大手出版社と同じ取次会社ルートで全国に配本できますし、地方発のヒット作を生むぞ!って意気込んでいますから。
――最後に読者へメッセージをお願いします。
決してルート66に行こうっていう呼びかけの本ではないんです。どんなことでもいいから夢を持っているならば、まず一歩踏み出そう! やりたいことがあれば迷わずやってみよう! 僕でもここまでできたんですから、あなたならもっとできるはずです。作品は66話で終わっていますが、その先の67話目はあなた自身で見つけて下さい。
――心のこもったメッセージ、ありがとうございました。
ありがとうございました。
1960年、大阪生まれ。
田舎暮らしのクラフト作家として活動しながら、ライフワークとしてアメリカインディアン、ナバホ族、ホピ族との交流と、ルート66の旅を続けている。
クラフトショップ「森の生活」経営。自身の作品とナバホ、ホピの友人作家が製作したジュエリーやクラフト、ルート66グッズを扱う。
ナバホの高名なメディスンマンから授かった正式なナバホネームを持つ。
〈2008年11月 著者が経営するクラフトショップ「森の生活」にて〉
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